中小企業が知っておくべきデジタルリスクとその対策

中小企業が知っておくべきデジタルリスクとその対策

近年、ビジネスにおけるクラウドサービスやAIツールの活用は不可欠となり、業務の効率化を大きく進めています。その一方で、サイバー攻撃や情報漏えいといったデジタルリスクは年々複雑化し、増加の一途をたどっています。

特に中小企業は、「大企業ほど狙われない」「予算や人員に余裕がない」といった理由からセキュリティ対策が後手に回りやすく、被害を受ける割合が高いのが現状です。一度インシデント(事故)が発生すれば、企業としての信用失墜、業務の長期停止、そして最悪の場合、事業の継続が困難になる事態も起こりえます。

本記事では、中小企業が直面しやすいデジタルリスクの具体例と、限られたリソースでも今すぐ実践できる現実的な対策ポイントを解説します。


深刻化するデジタルリスク:中小企業が狙われる理由

サイバー犯罪者は、セキュリティが強固な大企業を直接狙うよりも、防御が手薄な中小企業を狙う傾向があります。特に、大企業の取引先やサプライチェーンの一員である中小企業は、**「サプライチェーン攻撃」**の足がかりとして悪用されるケースも増えています。

よくあるデジタルリスクの例(被害事例と対策のヒント)

リスクの種類 概要と中小企業での被害例 対策のヒント
フィッシング詐欺 実在の企業や金融機関を装い、メールやSMSで個人情報や認証情報を盗み取る手口。従業員が不審なリンクや添付ファイルを開いてしまうことで、社内ネットワークへの侵入やマルウェア感染につながる「ヒューマンエラー」が主な原因となります。 従業員教育の徹底、メールフィルタリングツールの導入。
ランサムウェア攻撃 ファイルやシステムを暗号化し、解除と引き換えに身代金(金銭)を要求するサイバー犯罪。警察庁の統計でも中小企業の被害が半数を超えています。業務データが使用不能になり、業務が長期間停止するリスクや、顧客情報流出による信用の失墜も招きます。 強固なバックアップ体制の構築、OS・ソフトウェアの最新化、ウイルス対策ソフトの導入。
クラウドサービスの設定ミス 導入したクラウドストレージやファイル共有サービスなどで、外部からのアクセス制限が不十分なまま運用し、顧客情報などが誰でも閲覧できる状態になるケース。特に無料サービスや安易な共有設定に潜むリスクです。 アクセス権限の厳格化、共有設定の定期的な見直しと監査。
標的型攻撃メール 取引先や公的機関を装い、受信者の業務内容を詳細に調査した上で作成された精巧な偽装メールを送付し、機密情報を抜き取ろうとする攻撃。一般のフィッシング詐欺より見破ることが難しく、特定の企業・組織が狙われます。 メールの不審な点を見抜くための実践的な教育、メールセキュリティ製品の導入。
社内端末・USBの紛失 モバイルワーク(テレワーク)の普及により、ノートPCやスマートフォン、外部記憶媒体(USBメモリなど)の紛失・盗難リスクが増加。端末内に暗号化されていない重要情報が保存されていると、情報漏えいに直結します。 端末のデータ暗号化、遠隔ロック・ワイプ(データ消去)機能の導入、私的利用の禁止徹底。

中小企業が今すぐ実践できる対策ポイント5選

限られたリソースの中では、まず「できるところから始める」ことが重要です。IPA(情報処理推進機構)が推奨する基本的な対策は、企業の規模にかかわらず実行でき、被害を未然に防ぐ効果が高いものです。

1. パスワードの「強固化」と「多要素認証」の導入

  • パスワードの強化: 英数字・記号を組み合わせた複雑なパスワードを設定し、他のサービスとの使い回しは絶対に避ける。
  • 多要素認証(2段階認証)の導入: パスワードに加え、スマートフォンアプリや生体認証など、複数の要素で本人確認を行う仕組みを導入することで、万が一パスワードが漏洩しても不正アクセスを防げます。

2. ソフトウェアを常に最新状態に保つ(アップデートの徹底)

  • OSやアプリケーションの更新には、セキュリティ上の「脆弱性(セキュリティホール)」を修正する重要なパッチが含まれています。
  • 更新を怠ると、既知の脆弱性を突かれ、容易にサイバー攻撃の標的となるリスクが高まります。自動更新の設定を活用するなど、徹底しましょう。

3. バックアップの自動化と「オフライン保管」

  • ランサムウェア攻撃対策の最後の砦です。業務データやシステム設定をクラウドストレージや外部ドライブに定期的な自動バックアップを設定し、復旧体制を整えましょう。
  • さらに、バックアップデータはネットワークから切り離された**「オフライン」環境にも保管**することで、ランサムウェアに感染した場合でもバックアップデータまで暗号化されるのを防げます。

4. 従業員教育を定期的に実施し、「人の壁」を築く

  • サイバー攻撃の多くは、不審なメールの開封やリンクのクリックといったヒューマンエラーがきっかけで発生します。
  • 不審なメールの見分け方、セキュリティの基本知識、会社貸与品の取り扱いルールなどを全社員に定期的に共有することで、セキュリティ意識を高め、「人の壁」を強化します。

5. 信頼できるITパートナーを持つ(外部の専門知識の活用)

  • デジタルリスクは年々複雑化しており、自社だけで最新の対策を維持するのは困難です。
  • 専門知識を持つ外部のITパートナーと連携することで、自社の状況に合わせた適切なセキュリティ診断や対策を、費用対効果の高い方法で実現することが可能です。

安全なデジタル環境づくりをサポートします

デジタルリスクは「自社には関係ない」と思っている企業ほど、ひとたび被害に遭った際のダメージが大きくなる傾向があります。

貴社が安心して事業を継続できるよう、当社のHP制作・ITソリューション部門では、セキュリティ対策を含めた安全なデジタル環境づくりをサポートしています。

貴社の業務内容、システム環境、ご予算に合わせたセキュリティ診断や、Webサイト・クラウド利用に関するセキュリティ対策の提案も行っております。

まずは現状の不安や課題について、お気軽にご相談ください。